お客様コメント
今はあまり付けなくなったので、新聞を見てパンサラッサを知り、伺う事になりました。
思った通りの金額が出たので売却させて頂きました。
千葉県 K.佳穂子 様(仮名)
鑑定士コメント
こちらは中央宝石研究所の古い基準の鑑定書の付いた3キャラットの立爪リングでした。
鑑定書の記載は、カラーがD、クラリティーがVS1、カットグレードはGOOD、蛍光性はBLUE、という表記になっていました。
宝石の中でダイヤモンドにしか付かない「鑑定書」ですが、その評価基準は時代ごとに変わってきています。
詳しくは、当サイトの特集記事「ダイヤモンドの鑑定基準の変遷について」にも記述してありますが、平成6年(1994年)に、国内の主な鑑定機関が参加するAGL(宝石鑑別団体協議会)という団体により、ラウンドブリリアントカットの評価の統一が行われました。
その後、平成8年(1996年)にカラー評価を統一するため、同団体が基準となるマスターストーンを作成し、各鑑定機関に配布しました。
さらに平成18年(2006年)に、カット評価を機械的に計測して決定するGIA(米国宝石学会)の方式を取り入れることが、やはりこの団体で決定されました。
こうした移り変わりがあるため、古い基準の鑑定書付きダイヤモンドをあらたに再鑑定すると、内容が変わる場合があります。
こちらのリングに付いていた鑑定書は、平成6年のカット基準以後で、かつ平成8年のカラー基準以前、に発行されたものでした。
直近の基準に照らして見ますと、こちらは、カラーはE、クラリティーはVS1、カットはGOODで、蛍光性がSTRONG BLUEとなる石であることが判明しました。
最後の蛍光性は、目に見えない紫外線を照射した時に目に見える光(可視光)を発する性質のことです。
紫外線は太陽光にも多く含まれますので、この性質の強い石は太陽光の下で見た時に若干濁って見える場合があります。
ただし、こちらのダイヤモンドに関しましては、確かに蛍光性は強いものの、濁りはそれほど感じられない石であることも判りました。
このようなことをすべて踏まえ、現時点の国際相場から、最も高くなる流通経路を勘案して査定金額を計算させて頂きました。
宝石専門の鑑定士がいない買取り店では、こうした古い鑑定書が付いたダイヤモンドは、多くの場合おおざっぱに低い金額にせざるを得ないと思います。
このたびは当社の査定金額にご納得いただきまして、たいへん嬉しく思います。
今後とも、ぜひよろしくお願い申し上げます。