
福島県にお住まいの田中幸平さん(仮名)は、ココ山岡で購入したダイヤモンドネックレスを、郵送でパンサラッサに売却されました。(株)パンサラッサの平澤社長と共に、福島駅構内のファーストフード店で田中さんとお会いし、ココ山岡での購入経緯や、パンサラッサのダイヤ買取サービスを利用した感想などをうかがいました。
(取材: ライター 佐々木 至)
ココ山岡
1997年に破産した全国チェーンのダイヤモンド販売会社。正式社名は株式会社ココ山岡宝飾店。人通りの多い場所で販売員(主に女性)が通行人(主に男性)を呼び止め、「一定期間後に販売価格で買い戻す」という特約を強調しながら、ダイヤモンドネックレスを販売していた。破産後、経営難を認識しながら買戻特約付でダイヤモンドを販売していたことが詐欺罪にあたるとして捜索を受けた。
田中さんについて
― はじめに、田中さんの自己紹介をお願いします。
田中幸平です。昭和48年生まれです。自動車整備士をしています。福島県の伊達郡川俣町に住んでいます。
先日パンサラッサさんに、郵送でダイヤモンドネックレスを買い取ってもらいました。僕が21歳の時、ココ山岡で買ったネックレスです。

仙台駅の駅ビルで、ココ山岡の女性販売員に呼び止められた
― ココ山岡で、ダイヤモンドネックレスを買った時のことを教えてください。
当時僕は、ある空調関係の会社に勤めていました。その日は仙台の本社で研修があり、たまたま少し早めに研修が終わりました。
まだ夕方4時頃で、そのあと暇だったので、仙台駅の「エスパル」という駅ビルを見に行きました。
エスカレーターに乗ろうとすると、24~25歳ぐらいの女性に「すいませ~ん! アンケートに答えてほしいんですけど……」と呼び止められました。
暇だったので「いいですよ」と答えると、ビルの2階か3階に入っていた宝石店に案内されました。その宝石店が、ココ山岡でした。
店に入り椅子に腰掛けると、アンケート用紙を渡されました。
アンケート用紙には「結婚する時に必要な費用は、いくらぐらいだと思いますか?」といった質問が並んでいました。記入しながらその女性販売員と話しているうちに、いつのまにか、ダイヤモンドネックレスの売り込みの話になっていました。


― ココ山岡の販売員の売り込みは、どのようなものでしたか。
「結婚する時は、200万~300万円ぐらいのお金が掛かるんですよ」みたいなことを、最初に言われました。「いざ結婚したい人ができた時、貯金がなかったら困りますよね?」と言われて、少しドキッとしました。実際、このまま生活していたら、200万~300万円も貯金するのは難しいと思いました。
そこで言われたのが、将来に備えて、今からダイヤモンドのような財産を買っておけば、貯金の代わりになるということでした。ココ山岡のダイヤモンドネックレスには買い戻し保証が付いていて、支払いを終えた5年後には、購入金額と同じ120万円で、店が買い取ってくれるという話でした。結婚する時には、婚約指輪に作り替えられるとも言われました。
40歳手前ぐらいの店長らしい女性も途中で加わり、最初の若い販売員と2人がかりで、えんえん説得を続けられました。夕方4時過ぎから夜9時の閉店ぎりぎりまで、5時間近く粘られて、ついに僕も根負けしました。「5年後に120万円で買い取ってくれるなら……」と、120万円のダイヤモンドネックレスを、5年60回のローンで購入する契約にサインしてしまいました。金利・手数料を入れると、結局160万円ぐらいの支払いになってしまいました。
ダイヤモンドネックレスを買った2年後、ココ山岡が倒産
― 購入したネックレスは、どのように使いましたか。
買ったネックレスは、ほとんど身に付けませんでした。何回か付けたら、肩がこってしまって……。
ネックレスって普段しない人がすると、肩がこるって言いますよね。肩こりしてまで付ける必要はないと思って(笑)、そのまましまい込んでしまいました。28歳で結婚した時も、婚約指輪に作り替えることはありませんでした。
― ココ山岡の倒産をいつ知りましたか。
ココ山岡の倒産を知ったのは、ダイヤモンドネックレスを買った2年後のことです。
― ココ山岡の倒産を知った時は、どのように思いましたか。
相当ショックでした。ネックレスのローンを払い終えたら120万円で買い取ってもらう予定が、これでパーになりました。その上、まだ3年残っていたローンの支払いは、ココ山岡が倒産しても消えませんでした。
裁判(※)を起こした人もいると聞きましたが、被害者の会が福島にはありませんでした。裁判費用の負担も難しかったですし、仕事も忙しかったので、結局裁判には加わりませんでした。 結局ローンは、5年掛かって最後まで払いました。
※ココ山岡の倒産後、10,000人近い被害者がクレジット未払金の債務不存在確認と既払い金の返還を求めて信販会社などを提訴した民事裁判。2000年11月に全国で統一和解が成立。

金価格高騰のニュースを聞き、ネックレスの売却を決意
― いつ頃から、ダイヤモンドネックレスを売ることを考え始めましたか。
3年ぐらい前から、漠然と売りたいなとは思っていました。本格的に売却を考え始めたのは、「金の先物が史上最高値」というニュースを聞くようになってからです。僕が買ったダイヤモンドネックレスは、金属部分が金なので、今が売り時じゃないかと思いました。
― 売却先としてどのようなところを検討しましたか。
最初に検討したのは、地元にある全国チェーンの買取店です。ただ、いざその店に行こうとすると、急に不安になってきました。


― どんなことが不安だったのですか。
その全国チェーンの買取店は、テレビで盛んにCMを流していました。テレビCMにお金が掛かっているぶん、買取額が低く抑えられている気がしました。全国展開のフランチャイズということは、本部への納入金も掛かるでしょうし……。
120万円で買ったダイヤモンドネックレスを、もし10万円以下に査定されたら、それだけで気がめいりそうでした。それが怖かったので、テレビCMを流している店や全国チェーンの店には、査定をお願いしないことにしました。“規模”や“知名度”ではなく、“買取額”で勝負している店をネットで探して、そういう店だけに査定をお願いすることに決めました。
候補は2社に絞られた
― いくらぐらいの買取額を希望していましたか。
買った時の額が額なので、はじめのうちは最低でも30万円、欲を言えば50万~60万ぐらいには査定してほしいと思っていました。
ただネットで調べているうちに、相場というものがわかってきました。
特にココ山岡の商品は、ほとんど値が付かないこともあると知りました。ですので最終的には、あまり金額にこだわらず、一番高く査定してくれた店に買い取ってもらうことにしました。

― ネットでは何社ぐらいの買取店が見つかりましたか。
全国チェーンではなく、買取額で勝負してそうなところは、5、6社ほど見つかりました。ただその中には、店舗がないところや、ホームページに地図を載せていないところもありました。
高価なダイヤモンドネックレスを、所在地もはっきりしない会社に郵送するのは不安です。
店舗をきちんと持ち、地図も公表しているところとなると、候補は2社に絞られました。1社はパンサラッサさんで、もう1社は大阪のA社でした。
特にパンサラッサさんのホームページは、お店の外観や内部の写真ですとか、社長さんのプロフィールなども公開していて、安心できる感じがありました。
パンサラッサの査定額は18万7千円だった
― 査定はどのように依頼しましたか。
まずパンサラッサさんのホームページから、郵送査定の申込みをしました。2日後には、パンサラッサさんから無料梱包パックが送られて来ました。中にはパンフレット、申込書、発送用のバッグ、それから宅急便の着払伝票が入っていました。パンフレットの手順通りにネックレスを梱包し、着払の宅急便で発送しました。
3日後、パンサラッサさんから電話があり、30歳ぐらいの女性鑑定士の方が査定結果を教えてくれました。査定額は18万7千円でした。
パンサラッサから送られて来る無料梱包パック 大阪のA社の査定額も聞きたかったので、電話で事情を説明し、いったん品物を送り返してくれるように頼みました。パンサラッサの鑑定士の方は、快く応じてくれました。電話で頼んで2日後には、パンサラッサからネックレスが返送されてきました。返送料も無料でした。
次に、A社にも郵送査定の申込みをしました。ホームページから申し込むと、2日後に梱包パックが送られてきました。

もう1社の査定額は15万円弱、パンサラッサより約4万円低かった
― A社の梱包パックとパンサラッサの無料梱包パックとの間に何か違いはありましたか
パンサラッサさんの無料梱包パックの方が、パンフレットや説明書がきちんとしていました。査定後の返送料にも、違いがありました。
査定してもらった品物を売却せずに返送してもらう場合、パンサラッサさんは返送料が無料でした。A社は、返送料をこちらが負担する仕組みでした。
買取代金の振込手数料にも、違いがありました。パンサラッサさんは振込手数料が無料でした。
A社は、買取額が一定額に満たないと、買取代金から振込手数料を差し引かれる仕組みでした。

―A社の査定額はいくらでしたか。
A社の査定額は、15万円を少し下回る金額でした。パンサラッサさんの査定額は18万7千円でしたから、約4万円の開きがありました。
もちろん120万円という購入額を考えれば、パンサラッサさんの査定額も、決して高い金額ではありませんでした。ただ、A社の査定額と4万円も開きがあるのは意外でしたし、ネットで調べた相場から考えても納得できる金額でしたので、パンサラッサさんに売ることに決めました。
―パンサラッサへの売却を決めた後は、どのような流れでしたか。
A社にダイヤモンドネックレスの返送をお願いし、パンサラッサにはもう一度無料梱包パックの送付をお願いしました。 A社から返送されたダイヤモンドネックレスを、パンサラッサから届いた梱包パックで発送すると、2日後にパンサラッサから電話がありました。
― 代金はすぐ入金されましたか。
はい。電話で買取をお願いした翌日には、僕の銀行口座に買取代金が振り込まれました。
おかげで無事、ダイヤモンドネックレスの売却を終えることができました。

― ここで平澤社長に質問です。田中さんは、「テレビCMを流している買取店や全国チェーンの買取店は、査定額が低いイメージがある」とおっしゃっていました。実際そのようなことはあるのですか。
他の買取店さんのことは詳しく存じ上げないのですが、パンサラッサが広告宣伝に大きな費用を掛けていないのは事実です。テレビCMは流していません。ホームページも、製作会社に丸投げするのではなく、半分手作りに近い形で作っています。田中様がおっしゃっていたように、広告宣伝にあまり費用を掛けていないぶん、高い買取額を提示できるという面はたしかにあると思います。
また今のところ、店舗を積極的に増やす予定もありません。

― なぜ、パンサラッサは店舗を積極的に増やさないのですか。
お客様のダイヤをどこよりも高く買い取らせていただくためには、鑑定スタッフ全員の査定力を、どこよりも高く保つ必要があります。査定力の水準を高く保つには、鑑定士の採用と育成に時間を掛ける必要があります。
パンサラッサでは、専門の学校を卒業して資格を取ったダイヤモンド鑑定士でも、店頭に出す前に、半年から1年以上の訓練を課しています。鑑定スタッフの育成にこれだけ時間を掛けていますので、店舗を次々に増やすようなことはできないのです。
― 田中さんと同じ形のダイヤモンドネックレスなら、今回の田中さんと同じ金額で買い取ってもらえるのですか。
残念ながら、断言はできません。まずダイヤモンドの買取価格は、輸入価格の変動に従って常に変化しています。
また、ココ山岡のダイヤモンド製品に使用されているダイヤのグレードも、ご購入の時期によって、かなり差があるのです。大ざっぱに申しまして、ココ山岡でのご購入額が同じでも、お買い上げの時期が後になるほど、より低いグレードのダイヤが使用されている傾向があります。実際の買取額は、あくまでもお品物を拝見した上で、慎重に査定させていただくものとご理解ください。
ダイヤを売ろうかどうか迷っている方へのアドバイス
― 最後に、ダイヤを売ろうかどうか迷っている方にアドバイスがあればお願いします。
もし迷っておられるなら、パンサラッサさんに査定だけでもお願いしてみたらいいのではないでしょうか。郵送で査定だけしてもらって、また送り返してもらっても、お金はいっさい掛かりませんし。
僕が経験したように、たぶんパンサラッサさんの方が他の買取店より査定が高いでしょうから、他の店と比較したい場合は、最後にパンサラッサさんに査定してもらえばいいんじゃないかと思います。

田中様、本日はお忙しい中、 貴重なお話をありがとうございました。(取材: ライター 佐々木 至)